山旅3日目(7/13) 八ヶ岳縦走撤退の日
朝6時、登山計画書を提出後、宿泊した夏沢鉱泉から出発。
「稜線は風が強いとの連絡がありました」と言われたが
穏やかな天気なので、深刻に受け止めずに登り始めた。
オーレン小屋を過ぎ、夏沢峠を過ぎ、硫黄岳頂上目指し快調に登る。
稜線近くの岩場になった頃から、強い風を感じ始めた。
崖から転落しないように、山側の岩をしっかり掴んで慎重に歩く。

「危険だ ! 」 「下りた方がいい ! ! 」
怒ったような大きな声でそう言いながら、30代~40代の男性が二人降りてきた。
誰に向かって言うでもなく、多分、上の状況を知らずに登り続けている者に対する警告だろう。
夫は登り続けているし、昨日も相当な風に逆らって登ったのだからと、歩き続けていると
同じ位のペースで進んでいて、先に稜線に出た男性二人が 「私達は、もう下ります」
「濃霧で道が全く分からなくて危険だ。風も強くて、這っても前に進めない」と言う。

そこで昨日、夏沢鉱泉の送迎車を運転していた小屋番さんの話を思い出した。
「硫黄岳山荘まで歩荷(荷揚げ)に行ったら、風速30~35メートルで大変だった。
うずくまっている男性が居たので『どうしました ?』と声を掛けたら『風が強くて歩けない』
と言うんですよ。まぁ、うずくまっている方が安全ではあるんですがね」との内容。

広々とした硫黄岳頂上は、濃霧に覆われると方向が分からなくなる。
白馬の天狗山荘で同宿した山の達人が「どっちに進んでいいか分からなくて座り込んだ」
と話していた言葉をも思い出し、witchは決断した。
「よし、撤退しよう。硫黄岳山荘まで行けたとしても、今日の目的地は硫黄岳を越えて
横岳を越えて、赤岳頂上を越えて、キレット小屋でしょ。不可能だよ」

夫も渋々同意して下り始めたが、さて、茅野までの足はどうする ?
夏沢鉱泉に電話をすると、茅野行きの送迎車は出たばかりだと言う。
とりあえず夏沢峠まで下り、夏沢ヒュッテで情報を得ようと思って入ったら
先ほど「私達は下ります」と言って下りた男性二人組が休憩していた。
訊くと桜平に車を置いてあるとの事だったので、同乗させて頂けないかとお願いした。

岐阜から来ていた50代の男性は、気持ち良く乗せてくださる事になった。
桜平まで2時間一緒に歩き、色々な話をして意気投合し、途中の温泉にも立ち寄った。
北海道で食べた「じゃがバター」の味が最高で忘れられないと仰るので
お礼に「じゃがいも」を送る約束をして、茅野駅で別れた。
断念した八ヶ岳縦走の代わりに、岐阜の親切な方達と知り合いになれて幸運だった。

コメント

nassie
2013年7月20日17:50

残念でしたね。でも良い出逢いがあってお釣りは沢山。
数年前、(軽装備の)登山靴で臨んだ富士山で、サンダル履きのゼミの学生に置いてきぼりにされたのを思い出します。鍛えなくっちゃとは思いますが、冷や水にならないようにしなきゃ。

witch
2013年7月20日22:03

♪nassieさん
夫は未だに、一人なら這ってでも行ったと申しております(笑)
八ヶ岳は4度目で殆ど登っていますが、権現岳から赤岳の間のキレットだけが空白地帯で
そこを繋ぐのが目的の縦走計画でした。
硫黄岳までなら這ってでも行けたでしょうが、その先は岩場が多くて、赤岳登頂と
キレット越えは大きなザックを背負ってでは風に煽られて危険だったでしょう。
全く、諦めの悪い相棒で呆れてしまいます。

nassieさんはテニスもなさるんですよね。
富士山も登られたとの事、スポーツマンでいらっしゃるのね。

naochan
2013年7月21日18:03

おお、良かった。
いつ、その決断をwitchさんがなさるのかとヒヤヒヤしながら読みました。

ご主人様は、一人で山行きは、危険とお見受けしましたぞ。
何度も撤退のチャンスがありながら、無理をして
山の事故に遭われることがあると聞いています。

witchさんは、ご主人様のやはり守り神でしたね(笑)

hana
2013年7月21日22:20

witchさん^^

良かったです!
さすがwitchさん^^

それにしても相性ぴったり^^

witch
2013年7月21日22:29

♪naochan
>ご主人様のやはり守り神でしたね(笑)
naochanが旦那様の守り神であるようにね(笑)

しかしねぇ・・・我相方は、どうしてこんなに駄々っ子になったのでしょう。
昨夜は突然起きてきて、夢の中で私が意地悪をしたといって怒るのよ(爆笑
その場はそのまま見逃してやったけど、今朝は最初は無視、その後ガッツリ怒りつけたわよ。

witch
2013年7月21日22:36

♪hanaさん
>それにしても相性ぴったり^^
ピッタリじゃなくて・・・手を焼いておりますぅ(笑)
山は楽しむ為に行くのだから、事故って周囲に迷惑を掛けるのだけは避けたいですもの。

これからの残された共同生活、どうやって御していけばいいのやら。



witch
2013年7月21日22:41

naochan、hanaさん
岐阜の男性に「同乗させて下さい」とお願いしたのも、下山路で社交性を発揮して
話を盛り上げたのも私ですのよ。
これじゃ、夫を残して私が先に死ぬ訳にはいきませんよ(涙)

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