先日読んだ「日本の孤独死」アメリカの「自立死」より数倍面白かった。
文章が自然体で、しかも難解でないのでスーッと入ってくる。
切腹の美化や殉死に関しては史実であるが、何とも言えない。
著名な小説家のエピソードも、美化しないでそのまんま(多分)書かれて
今までに知っている事も知らなかった事も、それなりに面白かった。

江藤淳氏の自殺については、過去に文春に特集が組まれていたし、
TVで取り上げられた番組も幾つか見て
「江藤淳でもねぇ」 と衝撃を受け、妻の存在の大きさをを再認識したものだった。
北海道にゆかりの深い有島武朗は同性愛→略奪愛→堕落した生活→自殺→
遺体発見は1ヶ月後。 へぇ~という感じ。 
太宰治も好きじゃなかったけれど口に出せないでいたら、著者も好きではないという。
「 お~、やっぱり 」 と、仲間を得た様な気がした。
他にも芥川龍之介、川端康成、三島由紀夫など、サワリだけだけれど面白い。

一番心に残ったのは最終章、著者の「五十歳の辞世」で、その一部。
やっかいなものだな。
つくづく、そう思う時があります。
死ぬのは難儀だ。
生きるのも、難儀。
だんだん、そう考える頻度が多くなってきた気がする。
よくない傾向です。
でも止まらない。

私は、これに共鳴するものではありません。
死ぬのは成り行き。
生きるのを難儀と感じないで日々を過ごせるのは、幸せなことだ。
そう思っています。 
頼りになる相方がいて、子供がいて孫がいて、テニスコートにもDNにも友達がいて。

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