若年性アルツハイマーと聞くと、悲痛なドラマを連想するが
本作は観終わってどこか希望の光を感じさせる。
それでいて、病気の現実を真正面からとらえる。
この意味で、ひじょうに好感が持てる作品である。
渡辺謙が演じる主人公は、50歳を前にして物忘れがどんどんひどくなる。
最初に彼が受ける病院の検査から、観る者に同時体験させることで
アルツハイマーの怖さをリアルに実感させていくのだ。
もし自分が、あるいは家族や同僚が…と切迫感を高める展開が見事

若い人たちは、まだ切実な問題として捉えられないだろうが
還暦を過ぎた私達にとっては、認知症やアルツハイマーは、もっとも恐怖だ。
この作品の批評として、どこか希望の光を感じさせるなどと書いているが
現実問題として、そんなきれい事では済まされない真っ暗な闇が待っているだろう。
自分が自分でなくなっても生き続けなければならない状況を想像すると・・・
「不慮の事故で死んでしまうのも悪くはないな」 そんな気さえしてくる。 

コメント

つむぎ
2007年7月4日21:24

私も夫と共にこの映画を見ました。
放送終了後、二人とも何とも言えない位、暗い気持ちになりました。
重い空気のまま、お互いに思った事は一緒だったと思います。

「見なきゃよかった」

わたしは光なんて全く感じませんでした。
これからは病気との闘いかもね・・・と、夫は深くため息をついていました。

witch
witch
2007年7月4日22:32

暗い現実から目を背けたがる傾向の夫は途中で見るのを止めてしまいました。
予防の方法も治療法もないアルツハイマーだと宣告されたら・・・
宣告された時はまだほぼ正常で、自分の行く末を想像したら地獄ですよね。
「私を的から外してください ! ! 」と神様に祈るのみです。

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