自分が認知症になる事。 最近まで考えもしなかったけれど・・

「 一人暮らしの老母がガスを使用すると危険なので外のコックで閉めてある。
母から使えるようにして欲しいと電話が行っても、開けないで欲しい」と頼まれた。

「ストーブが点かないから見て欲しい」 と再三電話を寄越す別なお年寄り。
「危ないから火がつかないようにしてある」 と娘さんから連絡があった。
こんなに寒いのに可哀想にと思いつつも、火事になったら大変だしね。

どちらも高齢に依る認知症。
夫の話しでは連れ合いの認知症で苦労しているご夫婦が随分といるらしい。
長寿はおめでたい事だけど、脳が退化し身体が衰えても生き続ける事は辛いね。
日野原先生のように90歳を超えても現役医師として活躍する人なんて稀だもの。

脳に障害が残った友人は「私は○○です。X階北病棟に連絡して下さい」
と、点滴棒に札を付けられて歩き回っている。
年齢よりずっと若々しいテニスをして活躍していた彼の姿を知っているから辛い。
1年前の発病からずっと経過を見ていて、希望を持って闘病していたから尚更。
私だって、1年後今と同じ状態で居られる保障なんかないんだから。

昨夜のNHKスペシャルで「脳梗塞からの再生。免疫学者・多田富雄の闘い」を見た。
多田先生は右半身不随と話す事と食べる事の自由を失われた。
思考能力は正常でパソコンなどを使用して意思の疎通はできるけれど
嚥下障害、唾液を飲み込むことも出来ないというのは非常な苦痛なものだと知った。
突然倒れてそのまま逝ければ良いけど、助かる事は地獄の始まりかも知れない。

でも、来客用の高級ウイスキーを奥様におねだりする多田先生 可愛かった。

コメント

naochan
naochan
2005年12月6日19:49

自分のしたことに責任がもてなくなった時を自分で見極めるのは
とても難しいことでしょうね。
本当にそうなったときに、教えてくれる主人なり息子なりが
近くにいたら、それを幸せと思って受け入れる自分でありたいと
願うのですが・・・・。
それすら難しくなるのが病気なのでしょうか・・・・。
本当に考えさせられますね。

witch
witch
2005年12月6日22:52

介護の経験のない私には見当もつかない位難しい問題です。
認知症になった本人は、そういう自覚が持てず自分は正常だと思うのでしょうか。
今日も奥様が留守の間に認知症のご主人がストーブをバラして
ニッチもサッチも行かなくなり、直して欲しいとSOSがありました。
色々な家庭の事情を知る仕事なので、話を聞いて自分に置き換えると怖くなります。
介護をしている方が先に亡くなるケースも多いんですよ。
自分が自分で無くなる。 死以上の最大の恐怖です。

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